精神疾患を持っている人に通信制高校がおすすめの理由 2017.02.28
高校生活をさまざまな理由でリタイアしてしまった人が通うことも多い、通信制高校。
精神的な問題を抱えて入学してくる生徒も多いです。
なぜ精神疾患を持っている人に通信制高校が選ばれるのか、おすすめの理由などを紹介していきます。
不登校に繋がりやすい精神疾患
「通信制高校プラザ」にも、さまざまな疾患がもとで学校に通えなくなった生徒さん、またその保護者の方からお悩みが寄せられることがあります。
病気の症状に気づくことができず、不登校という現象が起きてから初めて病気の存在に気づく場合も多いです。
まずは不登校と関係があることが多い精神疾患をいくつかみていきます。
統合失調症
100人に1人はかかっているとも言われている、中学生や高校生にも多い病です。
会話で話題が突然飛んでしまったり、話が大きくずれていっても気づかなかったりといった小さな症状もあるので、なかなか保護者や先生も気がつけないこともあります。
本人自身ではどうしようもできないような無気力に襲われることも多く、他者への興味を失って感情が湧きにくかったり、部屋や自身の身だしなみが疎かになったり、こうした症状が不登校に繋がることが多いです。
うつ病
うつ病は気分の落ち込みが激しいため不登校だけでなく、引きこもりにも繋がることが多いです。
一度経験してしまうと統合失調症などよりも完治するのに時間がかかるため、中学や高校での発症後に治療を重ね、成人後やっと病気がよくなってきて通信制高校へ入学するようなケースも少なくありません。
イライラや憂鬱などの気分症状だけかと思われがちですが、だるさや便秘・肩こりなど身体の症状も現れます。
頭痛やめまいで勉強ができなくなってしまうことも多いようです。
強迫性障害
「忘れ物があるかもしれない」「なにか見た目に変なところがあるかもしれない」「学校で怒られたらどうしよう」そんなさまざまな不安から朝家を出るときになかなか準備が進まない。
こんな場合は強迫性障害の可能性があります。
「きちんとしなきゃ」「頑張らなきゃ」と無理をしてしまうような子ほど重症になることがあります。
なるべく学校に通うことに関して本人の負担を減らしてあげる工夫が必要です。
通信制高校がおすすめな理由
このように中高生が不登校になる原因になりえる精神疾患はたくさんあります。
こうした病気がきっかけで通信制高校へ入学をする人も大変多いです。
ではこのような事情を持った人がなぜ通信制高校を選ぶのか、おすすめのポイントを解説していきます。
登校日数が少ない
通信制高校は最短だと年間5日程度の登校だけで、高校の卒業ができます。
そのため残りの360日は自宅での勉強を進めるだけなので、のんびり自分のペースで無理せず学習を進めることができるんです。
上記で例にあげた精神疾患は、なによりも休息が治療に繋がることも多く、「無理をしない」ことがかなり重要になってくるので、通信制の制度は治療にも役に立つことが少なくないんです。
指定登校日にきちんと出席ができるよう、普段から自由登校を勧めている学校もあります。
カウンセラーが常駐している学校も
通信制高校には不登校経験者や精神疾患を持っている生徒が全日制高校よりも多い傾向にあるので、専任のカウンセラーや先生が常駐している学校がたくさんあります。
全日制高校では保健室登校などをすると逆に目立ってしまうこともありますが、通信制高校ではそんな心配は必要ありません。
何かしら悩みを抱えていた生徒が少なくないので、お互いに理解し合い、それぞれにぴったりの通い方を受け入れることができます。
いろいろな人がいる
今回紹介した精神疾患にかかってしまうと、「どうしてみんなはできるのに私は上手くできないんだろう」「私は変だからみんな仲良くしてくれないんだ」などと、周囲との関係を気にして病状が悪化してしまうことも多いです。
しかし通信制高校なら、そもそもさまざまな年齢層の生徒がいるので、「自分だけ...」と悩むことが少なくなります。
クラスのなかで「どこかのグループに所属しなきゃ」なんて必死になって苦しむこともありません。そもそもクラスがないことも多いです。
行事は自由参加
友達が上手くつくれなかったり人といることが得意じゃなかったりすると、学校での行事は本当に恐ろしいものです。
通信制高校にも体育祭や修学旅行などイベントはありますが、基本的に参加は自由。
「参加自由って言っても休んだら周りに何か言われそう...」そんな心配も通信制なら不要です。
生徒のなかには社会人もいるのでイベントの欠席は特に珍しいこととして捉えられません。
精神疾患でなく身体の不調で学校を休みがちだという人も、こうした通信制の制度に助けられています。
まとめ
精神疾患を患ったことが原因で高校卒業を諦めてしまった人もいるかもしれません。
しかし高校にはさまざまな形があります。
全日制高校では難しいことも通信制高校ならできるかもしれません。
各学校でいろいろなサポートをしているので、現状でただ苦しんでいるところから抜け出し、是非勇気を出して新しい学校を探してみてください。