母子家庭のお子さんの強い味方!通信制高校! 2017.03.09
高校進学はあなたの将来の可能性を大きく広げてくれます。
母子家庭だから、といって高校進学を断念するのはもったいない!
学費のせいで、高校進学を諦めたくない。そんなあなたを少しでも応援できる、学費の補助制度を紹介します!
母子家庭の現状
平成23年の厚生労働省によると、母子家庭の世帯数は全国で123.8万世帯です。
平均世帯収入は約291万円なので、月収で単純計算すると約24.25万円となります。
一見、収入は多いようですが、子供も働きに行っている家庭における話なので、母親自身の平均収入だけをフォーカスすると、223万円となります。
子供がいる世帯の平均収入は約650万円となっているのと比較すると、母子家庭ではその半分以下の収入から教育費をねん出しなければいけません。
母子家庭では子供一人を私立高校に通わせるだけで、生活が困窮してしまうなんてことも多いのが現状です。
通信制高校で使える奨学金
通信制高校は、全日制高校に比べて、学費が比較的安く設定されています。
それでも、母子家庭では学費を出すのが難しい場合もあります。また、通信制高校にも私立と公立があり、私立では学費が公立よりも高いのが現状です。経済的な理由で悩んでいる人は、奨学金の検討がおすすめです。
奨学金には「貸与型」と「給付型」の2つのタイプがあります。
「貸与型」は返還が必要で、「給付型」はある条件を満たすことが必要ですが返還が不要なものです。
高校生対象の学費減額制度
高校生から利用できる奨学制度を紹介します!
給付型:高等学校就学支援金制度
近年導入された授業料無償化と同時に導入されたのが、この『高等学校就学支援金』です。
世帯年収が910万円未満の世帯で、保護者の所得に応じて、年間30単位が上限で、1単位あたり4,812円を受け取ることができます。公立の通信制高校では授業料が全額無料になり、私立校の通信制高校では授業料が一部負担で済みます。
通信制高校は単位当たりの費用が少ないため、返還のいらないこの制度はおすすめです。
給付型:高校生等奨学給付金制度
これは、国が一定以下の低所得世帯の授業料以外の教育費を援助する奨学金です。また、返済義務はありません。
「国公立を問わず高校に在学していて、2014年4月以降に入学している。」などの条件に合っていれば、年におおよそ約30,000円から給付を受けられます。
給付型:地方自治体の奨学金
自治体が出資している奨学金で、返済義務はありません。
支援を受けられる条件としては、「経済的な理由で進学が厳しいが、成績優秀」があります。
自治体によって援助額や、他の奨学金との併用の可・不可も異なるので、自分の住む自治体の制度を確認してみましょう。
川崎市の場合、
「学年資金」と「入学支度金」の両方があります。
学年資金では、
公立:年36,000~48,000円、私立:年60,000~70,000円
入学支度金では、
公立:年45,000円、私立:年70,000円
となっています。また、他の奨学金との併用が可能です。
貸与型:財団法人阿部育英基金奨学金
元NHK会長で、かつNHK学園の初代理事長である阿部真之介氏の遺志をもとに、創設された奨学金です。
通信制高校に通い、優秀な成績を修め、かつ健康であるが、経済的援助が必要な学生を対象にしています。給付月額は7,000円です。
世帯全員の所得の証明が必要で、毎年12月以降にその年の奨学生が選抜されます。
貸与型:東京都育英資金貸付事業
入学金から不安がある方向けに、学校に入る前にお金を受け取れるものもあります。都内に在住で、学習意欲はあるが、経済的理由で在学が難しい人が対象です。
無利息で、貸付月額は公立では18,000円、私立では35,000円となっています。
給付型以外の奨学金との併用はできません。
高校と大学で利用できる学費減額制度
通信制高校を卒業後、大学進学したいけれど、やはり学費が心配…
そこで、高校と大学両方で使える奨学金を紹介します!
貸与型:あしなが奨学金
病気や災害、自殺などの理由で保護者を亡くしたり、両親が重い後遺障害などで働けない家庭の子供が対象となっています。無利子で、20年の返済期間があります。
国公立高校では月25,000円、私立高校では月30,000円の貸与です。
高校の場合、応募は書類審査のみとなっています。24歳になるまで利用できるので、大学生でも利用できます。
貸与型:交通遺児育英会奨学金
交通事故で保護者を亡くしたり、重い後遺障害で働くことができず、学費を払えない学生に貸与されます。条件に学力は問われません。
月額貸付金額は、2万円、3万円、4万円
入学一時金で、20万円、40万円、60万円
から選ぶことができます。無利子で、20年まで返済期間を延長できます。
貸与型:国の教育ローン
政府がすべて出資している教育ローンです。政策金融機関が行っているもので、最高350万円まで借りることが可能です。学力は関係なく、だれでもすぐに必要なお金を受け取ることができます。
子供の数と世帯収入によって、以下のように対象が異なります。
子供が1人…790万円以内
子供が2人…890万円以内
子供が3人…990万円以内
子供が4人…1,090万円以内
子供が5人…1,190万円以内
返済は15年以内で、毎月の返済額は一定となっています。
まとめ
奨学金制度や就学支援金制度について、紹介してきました。
これらの制度は、
・所得などの条件がある
・事前の申し込みが必要
・貸与型は返済が必要
などの点に注意しましょう。
自分に合った制度を見つけて、みなさんが素敵な高校生活が送れますように!